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万葉集
十八
教喩史生尾張少咋歌一首並短歌
七母例雲
但犯一条、即合出之、無七出輒棄者、徒一年半、三不去雲、
雖犯七出、不合棄之、違者、杖一百、唯犯姦悪疾得棄之、
両妻例雲
有妻更娶者、徒一年、女家杖一百離之、
詔書雲
愍賜義夫節婦
謹案、先件数条、建法之基、化道之源也、然則義夫之道、情存無別、一家同財、凱有忘旧愛新之志哉、 所以綴作数行之歌、令悔棄旧之惑、其詞曰、於保奈牟知(おほなむぢ)、須久奈比古奈野(すくなひこなの)、神代欲里(かみよより)、伊比都芸家良之(いひつぎけらし)、父母乎(ちヽはヽち)、見波多布刀久(みればたふとく)、妻子見波(めこみれば)、可奈之久米具之(かなしくめぐし)、都宇世美能(うつせみの)、余乃許等和利止(よのことわりと)、可久佐末爾(かくさまに)、伊比家流物能乎(いひけるものお)、世人能(よのひとの)、多郡流許等太氐(たつることだて)、知左能花(ちさのはな)、佐家流沙加利爾(さけるさかりに)、波之吉余之(はしきよし)、曾能都末能古等(そのつまのこと)、安沙余比爾(あさよひに)恵美々恵末須毛(えみみえまずも)、宇知奈気伎(うちなぐき)、可多里家末久波(かたりけまくは)、等己之部爾(とこしへに)、可久之母安良米也天地能(かくしもあらめやあめつちの)、可未許等余勢天(かみことよせて)、春花能(はるはなの)、佐可里裳安良(さかりもあら)〈○万葉集略解雲、多下恐脱牟等末三字、〉多之家牟等吉能沙加利曾波(たしけむときのさかりぞさかり)〈○波恐放〉居氐(井て)、奈介可須移母我(なげかすいもが)、何時可毛(いつしかも)、都可比能許牟等(つかひのこむと)、末多須良無(またすらむ)、心左夫之苦(こヽろさぶしく)、南吹(みなみふき)、雪消益(ゆきげはふり)〈○益恐溢誤〉而(て)、射水河(いみづがは)、流水沫能(ながるみなわの)、余留弊奈美(よるべなみ)、左夫流其児爾(さぶるそのこに)、比毛能緒能(ひものおの)、移都我利安比氐(いつがりあひて)、爾保騰里能(にほどりの)、布多理双坐(あたりならび井)、那呉能宇美能(なごのうみの)、於伎乎布可米天(おきおふかめて)、左度波流(さどはせる)、伎美我許己呂能(きみがこヽろの)、須弊母須弊奈佐(すべもすべなさ)、 言佐夫流者、遊行女婦之字也、
反歌三首
安乎爾与之(あおによし)、奈良爾安流伊毛我(ならにあるいもが)、多可多可爾(たかたかに)、麻都良牟許己呂(まつらむこころ)、之可爾波安良司可(しかにはあらじか)、
左刀妣等能(さとびとの)、見流目波豆可之(みるめはづかし)、左夫流児爾(さぶるこに)、佐度波須伎美我(さとはすきみが)、美夜泥之理夫利(みやでしりぶり)、
久礼奈為波(くれな井は)、宇都呂布母能曾(うつろふものぞ)、都流波美能(つるばみの)、奈礼爾之伎奴爾(なれにしきぬに)、奈保之可米夜母(なほかしめやも)、
右五月十五日、守大伴宿禰家持作之、