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万葉集
十九
慕振勇士之名歌一首並短歌
知智之実乃(ちちのみの)、父能美許等(ちヽのみこと)、波播蘇葉乃(ははそばの)、母能美己等(はヽのみこと)、於保呂可爾(おほろかに)、情尽而(こヽろつくして)、念良牟(おもふらむ)、其子奈礼夜母(そのこなれやも)、大夫夜無奈之久可在(ますらおやむなしくあるべき)、梓弓(あづさゆみ)、須恵布理於許之(すえふりおこし)、投矢毛知(なぐやもち)、千尋射和多之(ちひろいわたし)、劔刀(つるぎだち)、許思爾等理波伎(こしにとりはき)、安之比奇能(あしびきの)、八(やつおふみこえ)峯布美越、左之麻久流(さしまくる)、情不障(こヽろさはらず)、後代乃(のちのよの)、可多利都具倍久(かたりつぐべく)、名乎多都倍志母(なおたつべしも)、
反歌
大夫者(ますらおは)、名乎之立倍之(なおしたつべし)、後代爾(のちのよに)、聞継人毛(きヽつぐひとも)、可多里都具我禰(かたりつくがね)、
右二首、追和山上憶良臣作歌、