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諫は、いさめ又いさむと雲ふ、主君、父兄、朋友等の非お見て、戒めて匡正するお謂ふなり、凡そ諫には事に托して諷するあり、意見お書して進むるあり、顔お犯して直言するあり、又切諫して聴れざるお以て、身お殺して其非お匡すあり、本邦に於ては、支那の如く諫の目お分つこと無けれども、至誠お以て臣子の念としたるお以て、諫諍の例に乏しからず、今其最も著名なるものお収錄して、多くは省略に従へり、