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奥儀抄
下の中
さきだゝぬくいのやちたびかなしきはながるゝ水のかへりこぬなり
是はむかしあひしれる人に、おくれたる男にやれる歌也、逝水不返、後悔不立前といふ事のある也、うせにし人にさきたゝぬお、後悔さきにたゝぬによせてくいたる也、行水のかへらぬやうに、又くべきならねば、やちたびわぶるとも、かひやなかるらんとよめる也、