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古今著聞集
六/管絃歌舞
久安三年九月十二日、法皇〈○鳥羽〉天王寺へ御幸有けり、内大臣御供に候はせ給ひけり、十三日念仏堂にて管絃有けり、歌並笛資賢、笙内大臣、篳篥俊盛朝臣、〈○中略〉此外催馬楽有けるとかや、朗詠、今様、風俗など数へん有けり、資賢朝臣ぞつかうまつりける、朗詠は法皇御発言有けるとそ、其後としよりあそん読経つかうまつりけり、人々興にぜうじて、覚暹信西、楊真操弾けり、法皇のおほせに、資賢は催馬楽のみちの長者なりと、えいかん有けるは、此たびの事也、いかにめんぼく(○○○○)に思ひけん、