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常山紀談
十四
立花宗茂使お城中にたてゝ、けふ味方討死の中に、十時伝右衛門と申者あり、とりわきて不便に存るなり、骸お返し給り候へとて、物具の色お書て、言送られしかば、やがて返しぬ、又城中よりも山田三右衛門が首お返し給はれと、望れしかば、胄お添て送られけり、此お大津の死骸返しとて、勇士死後ほまれとしたり、