[p.0307]
神皇正統記
後醍醐
頼朝の時〈○中略〉また直実といひけるものに、一所おあたへたまふ下文に、日本一の甲の者なりと書てたまはりけり、一とせかの下文おもちて奏聞する人のありけるに、褒美の詞のはなはだしさに、あたへたるところのすくなさ、まことに名おおもくして、利おかろくしける、いみじきことと、口々にほめあへりける、