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大鏡
五/太政大臣兼家
太郎の君、女院の御ひとつはらの道隆のおとゞ、内大臣にて関白せさせ給ひき、次郎君は陸奥守倫寧ぬしの女のはらにおはせし君なり、みちつなと聞えさせて、大納言までなりて、右大将かけ給へりき、〈○中略〉五郎君たゞ今の入道どの〈○道長〉におはします、〈○中略〉昭宣公〈○基経〉の御君達、三平とは聞えさすめりしに、此三ところおば、三道(○○)とや世の人申けん、えこそうけ給はらずなりしかとてほゝえむ、