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嬉遊笑覧
六下/児戯
又小児いさかひなどして、中なほり、互に小指お曲て引かくるお、心とけたる験とす、これお指きりといふもおかし、恋路に指お截るお、いかに心得てしそめしか、指きりは西武独吟月の出てと、又は、やくそく指きりおする、ゆひくびが露涙、自注に、約束にゆびきりお付るなり、ゆびくひの女は源氏はゝきゞの巻にあり、後撰夷曲集ゆび切や地獄の釜へほつたりとおちようと雲は二世のけいやく、安勝この歌行風が傍注に童口遊詞とあり、又小児約束おして違へじといふ印に、油証文(○○○)とて、髪の油お指に付て、柱などに押ことあり、証文の印肉よりおもひよれるにや、