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奥儀抄
中の下
万葉集歌
神さびのよるべにたまるあまみづのみくさいるまでいもお見ぬかも
これは、神社にかめおゝきて、それなる水お、なき事などおひたるものは、神水とてこれおのむ也、たゞすの社〈○賀茂〉などにいまもあり、和泉式部歌にも、
神かけてきみはあらがふたれかさはよるべにたまるみづといひけん
又源氏のあふひのうへの歌雲、
さもこそはよるべの水(○○○○○)にかげたえめかけしあふひおわするべしやは
これらも、かのかめのみづおよむなり、