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倭訓栞
前編三十六
よるべのみづ 奥義抄に、神社に神水とてありといへり、一説に、賀茂に限りたる事といへり、されど神に諸願お祈るよるべにいひかけ、又祈恋の歌によめるは子細なしともいへり、河州こんだの八幡には池に名けり、西土には立春日貯水、謂之神水と、四時纂要に見えたり、
神かけて君はあらがふ誰かさはよるべにたまる水といひけん、俊成卿、定家卿は、たゞ縁あ る水の意に用いられたり、