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備陽記
二十
備前国戦場之事
一舟津原之巳午の方に誓紙の井(○○○○)あり、甚浅しといへども、苔の滴り不止して、四季ともに水つくることなく、所の用水とす、夏は冷水ばかりなり、冬は温にして湯の如し、昔盛綱児島お給り、入部の時、家臣お集て被申しは、弥以此後二心有間敷と、各神水にて誓せし時、此井の水お用ゆる故、誓紙の井と名付ると雲伝る由、