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袋草紙

和歌は昔より無師、而能因始長能お為師、当初肥後進士といひける時、ものへゆくあひだ、於長能宅前て車輪損了、仍車取遣之間、入彼家て始面会、雖有参仕之志、自然過之間、幸有如此事、其由お談相互契約、能因雲、和歌者何様可読哉、長能雲、山ふかみおちてつもれるもみぢばのかわけるうへにしぐれふるなり、如此可詠雲々、自此為師、