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南総里見八犬伝
三集三
第廿五回〈情お含て浜路憂苦お訟ふ、姦お告て額蔵主家に還る、〉
浜路は瞼泣腫し、闇きかたより見かへれど、涙に霞む狭山形紙張の壁に、身およせて、おのが臥房に泣にゆく、現悲しきは死別(○○)より生別(○○)にますものなし、