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栄花物語
十二/玉村菊
かくて帥中納言〈○藤原隆家〉祭の又の日〈○長和三年四月〉くだり給べければ、さるべきとこうどころより、御馬のはなむけどもあるなかに、中宮〈○三条后藤原研子〉より御心よせ思ひきこえ給へりければ、装束せさせ給て御扇(○)に、
すゞしさはいきの松ばらまさるともそふるあふぎの風なわすれそ、かくて我はかちより、きたのかたはふねにてくだらせ給、