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古今和歌集
八/離別
源のさねが、つくしへゆあみんとて、まかりける時に、山ざきにてわかれおしみ ける所にてよめる、 しろめ
いのちだに心にかなふ物ならば何か別のかなしからまし
やまざきより神なびのもりまで、おくりに人々まかりて、かへりがてにして、別れおしみけるによめる、 源さね
人やりの道ならなくに大かたはいきうしといひていざかへりなん〈○中略〉
藤原のこれおかゞ、むさしのすけにまかりける時に、おくりにあふさかおこゆとてよみける つらゆき
かつこえて別もゆくか相坂は人だのめなるなにこそ有けれ