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都のつと
ひたちの国へ帰り侍りしに、むさしのゝはてなき道に行くれて、その夜は道づれの僧など、あまたありしも、みなかりそめの草の枕おむすびて、とゞまり侍りしほどに、此野はむかしも、ぬす人ありてこそ、けふはなやきそともよまれけると、きゝおきしかど、さまでやはとおもひしに、苔の衣おさへ、ひきてかへりし白波のあらかりしなごりに、いとゞ旅の床もものうくこそ侍りしか、
いとはずばかゝらましやは露の身の憂にも消ぬ武蔵のゝ原