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万葉集
十九
六日、〈○天平勝宝二年四月〉遊覧布勢水海〈○越中〉作歌一首並短歌、
念度知(おもふどち)、丈夫能(ますらおのこの)、許能久礼(このくれに)、繁思乎(しぐきおもひお)、見明良米(みあきらめ)、情也良牟等(こヽろやらむと)、布勢乃海爾(ふせのうみに)、小船都良奈米(おぶ子つらなめ)、真可伊可気(まかいかけ)、伊許芸米具礼婆(いこぎめぐれば)、乎布能浦爾(おふのうらに)、霞多奈妣伎(かすみたなびき)、垂姫爾(たるひめに)、藤浪咲而(ふぢなみさきて)、浜浄久(はまきよく)、白浪左和伎(しらなみさわぎ)、及及爾(しく〳〵に)、恋波末佐礼杼(こひはまされど)、今日耳(けふのみに)、飽足米夜母(あきたらめやも)、如是己曾(かくしこそ)、弥年能波爾(いやとしのはに)、春花之(はるはなの)、繁盛爾(しげきさかりに)、秋葉能(あきのはの)、黄色時爾(もみづるときに)、安里我欲比(ありかよひ)、見都追思努波米(みつヽしぬばめ)、此布勢能海乎(このふせのうみお)、
反歌
藤奈美能(ふぢなみの)、花盛爾(はなのさかりに)、如此許曾(かくしこそ)、浦已芸廻都追(うらこぎへつヽ)、年爾之努波米(としにぬばめ)、