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十六夜日記
人やりならぬ道なれば、いきうしとてもとゞまるべきにもあらで、なにとなくいそぎたちぬ、〈○中略〉侍従大夫などの、あながちにうちくつしたるさま、いと心ぐるしければ、さま〴〵いひこしらへ、ねやのうちおみれば、むかしの枕さへ、さながらかはらぬおみるにも、今さらかなしくて、かたはらにかきつく、
とゞめおくふるき枕の塵おだに我たちさらば誰か払はん