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武雑記
一豹虎の皮進上の事、台にすえ候皮一段大に候へば、二つに折候て、頭の方お懸御目候、別に替る義無之候、〈○中略〉
一鞦のつゝみ様とて、別にはあるまじく候、引合にて包み水引にて可被結候、正月二日御乗馬始に進上も此分に候、
一手綱腹帯つゝみ候事も、鞦同前たるべし、何方へも被遣候はゞ台にすえられ候、十具廿具同前、
一杉原おこしらへ候事は、やがて杉原お八枚程四に折て、紐に結候て台にすえ、其上に扇板物おすえ候、十束廿束の時は相替候、又引合だんしなどは、かみえり二筋にて結候、いづれも台にすはり候、別に様体は無之候、
一真羽又は鷹の羽などは、引合につゝみ水引にて結候て台にすえ、羽の本お御前へなし申候、〈○中略〉
一盆香合進上の時は、香合おば袋より取出候て進上候袋おば同朋衆へ渡可申候、御前へ紋の草木の本末お見分候て、本の方お御前になし可申候、
一香炉進上候時は盆にすはり候、香炉に足候はゞ、あしのうらおもてお見分候て、御前へ可有持参、〈○中略〉一扇一本の時は如常、又一つゝみとは十本の事にて候、それおば、うつくしくたゝみたる、うすやうの重ねたるにてつゝみ、金銀の水引にてからげて、引合だんしにもすえられ候、〈○中略〉
一絵お進上の時、長き絵おば横に盆にすえ申べし、絵のおもての方御前へ向可申候、然ば外題は御前の左たるべし、持参申者の右へ外題あるべし、又絵お盆に竪にすえ申べし、然ば外題の方、我かたへなし、可有持参候、二幅、三ぶくの時、同前、〈○中略〉
一金襴、段子など進上に仕る時は、記錄に有之ごとく古く、候とも唐包可然候、あまりにそこね候はゞ、上お引合にて包み水引にて可結候、五端十端とも進上候時は、一端づゝせん香などつゝむ様にして、それおもとゆひのふときほどに、二すぢ紅にして、総お結て盆にすえらるべし、むかしの段子は巻候はでたゝみたるにて候、今は一どんすにて候間、一端づゝ包て総結おして可然候、総結は両わなたるべし、一端づゝはかたわなたるべし、
一唐糸三斤、或は五斤など進上候時は、ねぢたるかたお下になし、堅に盆にもすえ候へば、ねぢたるかたふつさりとして見だてよく候、一斤などにて候へば、如常横にもすえられ候、