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たはれぐさ
父母のあたには、ともに天下おともにせずといへるも、周の季世、世の中乱国となり、このくにの号令、かの国におよばず、凶おいれ叛おまねく風儀、はやりたる時のことなるべし、今の時は、まことにやしまのほかまで、なびかぬ草木もなく、めでたき一統の御代なれば、人のおやおころせるものあらば、いかにもしてたづね出だし、其つみおたゞし給ふべきに、その子にまかせおかれ、生殺の権お下にかし給ふは、いかなるゆえにか、