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嘉永明治年間錄
十三
元治元年正月廿四日、中仙道大宮駅に於て宮本某父の讐お復す、
巷説浪人川西祐之助と雲もの、〈○中略〉総願寺へ来り隠れ居しが、宮本某が忰兼太郎と雲者、当子七歳、親の敵と雲て、右寺院近辺附覘ひし故、院主も囲ひ置難く、依て院主同道にて夜中忍び出、江戸表へ参らんとする大宮宿地内において、宮本兼太郎と出会、親の敵と呼懸く、猶も兼太郎には助太刀四人程有し由、〈○下略〉