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義貞記
一親の敵お可討用意事曾我十郎五郎本望お遂上は、誠に高名至極なれば、聊其難なし、但後輩是お不可学かと覚、彼面々は、運人に勝たるに依て挙名也、若成人之後如此送年、いかなる横死にも逢なば、永本意お空くし、家の疵おも可付、唯親の敵おば不可有遁避、機嫌おも不可計、即時に押寄て可決勝負、敵運命尽なば、本望お遂べし、敵運あらば、我命お捨たらん事達ぬとすべき也、去ば本文には、親の敵には、足お後へ踏事なかれと、親の敵お持者は、日光に不当と雲り、