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古事記伝

三貴子は、書紀一書に、曰吾欲生御宙之珍子とありて、訓注に、珍此雲于図とありて、此の三柱大神成出坐し、神武巻にも、珍彦此雲于砮毘古とあり、又大殿祭祝詞に、皇我字都御子皇御孫之命とある、これらお合せて美婆斯羅能宇豆能美古と訓べし、又玉篇に、珍字に貴也と雲註もあれば、字も然訓むに難もなし、さて宇豆は師説に、高く厳(いつくし)きことなりとあり、〈今言に人の容貌お、宇豆高きと雲も、よく協へり、〉