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閑田次筆

元亭釈書の著者虎関禅師は、其父微官なりしかば、小僧の時、官家の童子達と群遊ぶのついで、其父の微官なるお恥かしめんとて、各其系譜おいひて、此溝おこゆべしといへり、皆大中納言の息なりしかばなり、虎関こゝうえて、大聖釈迦仏の法孫師鍊と、高らかに呼はりて、一番に飛越たれば、皆いふことなくて止みしとぞ、