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今昔物語
二十五
源頼信朝臣責平忠恒語第九
今昔、河内守源頼信朝臣と雲者有り、〈○中略〉頼信常陸守に成て、其国に下り有ける間、下総国に平忠恒と雲ふ兵有けり、私の勢力極て大きにして、上総下総お皆我まヽに進退して、公事おも事にも不為りけり、亦常陸守の仰する事おも、事に触れて忽諸にしけり、〈○下略〉