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物類称呼
五/言語
いつはり〈うそ(○○)〉といふお、房総にてうそおかたる(○○○○○○)と雲、常陸下野辺にてちく(○○)とも、又ちくらく(○○○○)とも雲、尾張にては謀計なる事、すべて深きたくみおちゝらく(○○○○)と雲、江戸尾張辺及上野にて万八(○○)ともいふ、〈近年のはやりことばなり〉九州にてすうご(○○○)と雲、又弥助(○○)といふ、〈はやり詞か〉又千三(せんみつ/○○)ともいふとぞ、按に千の偽の内に実三つもあらんかといふ意にや、万八といへる流言も是に似たる事なるべし、又いすか(○○○)などといふ、是はうそ鳥の雌なればかく雲にや、いすかといふ鳥は、くちばしの合ぬ故、口の合ざるにたとへたるか、万葉に乎曾(おそ)と有は、今雲宇曾也、