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続世継
四/字治川瀬
為忠は、〈○中略〉あまりふとれりしかばにや、口かわくやまひして、十年ばかりこもりいながら、四位の正下までのぼりしも、三条烏丸殿つくりたりしたびは、おとここそこもりたれども、おんな〈○為忠妻待賢門院女房橘氏〉のみやつかへおすれば、加階はゆるしたぶとおほせらるとて、顕頼の中納言は、大原うとくおぼゆとぞ、よろこびいふとて、たはぶれられけり、