[p.0782]
黒田故郷物語
扠程へて、余人無奉公の次第に、たわけめが、昼盗み(○○○)の仕様おしらぬぞ、自今以後は心懸、昼盗おせよと、異見仕候へど、おとなしき者に被申聞に付、律義に御奉公仕候へとこそ可被申聞候へ、盗お仕候へとは異見難成、不思義成事お被仰出候と、いかにも不審おたて、さからひて申ければ、合点せぬか、昼盗みの仕様にわけの有事ぞ、先壱人にて分別して見よ、伊藤次郎兵衛めは五七年も召仕、八十三石とらせても、不足に思はぬ者也、〈○下略〉