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新著聞集
十五/才智
盗賊別才
伏見木幡のあたりちかき村々、夜ごとに馬盗人有しお、程へて捕へしに、その盗人白木綿黒木綿一匹づゝ持たりしかば、いかなる故ぞと問に、されば黒赤栗毛には、白きもめん、白馬には黒もめんお胴中まり足までも巻也、たとひ馬主追かけ来りても、夜自には斑と見ゆるまゝ、我馬とはしらざるなりと雲しとかや、