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望海毎談
一石川五右衛門と雲者、生国遠州浜松の侍なり、始は真田八郎と雲ふ、河内の石川郡の山内古庵と雲ふ医者と所縁あるお以て、其家お頼み居り、石川五右衛門と改号し、終に強盗と成る、文禄の末年捕られ、釜炒の刑に行れたり、時に三十七歳なり、一郎と雲ふ幼き子も相共に煮らる、
石川や雲々と、辞世したり、