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燕石雑志

又棍徒おすりといふ、郷談雑字に、〈郷談〉剪杻〈正音〉掏摸と出せしは是也、契冲河社に、兼盛集なる、旅人はすりも、はたごもむなしきおはやくいましね山のとねたち、といふ歌お引て、簏(すり)字お当たり、亦学語篇には、須利と書て梵語なりと注したれど、出処詳ならず、彼がすりちがひつゝゆくさまにて、物とらんとするなれば、やがてすりといふなり、