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物類称呼
一/人倫
遊女、うかれめ、 畿内にておやま(○○○)、ぬけいせい(○○○○)と雲江戸にては女郎(ぢようろ/○○)といふ〈江戸にてはおやまと雲名は、戯場にのみ有、〉伊勢の山田にて艶女(あんにや/○○)といふ、同国鳥羽にてはしりがね(○○○○○)と雲、〈鳥羽は湊成によりて、はしるとは、船人の祝詞なるべし、〉近江にてそぶつ(○○○)といふ、出羽秋田にてねもち(○○○)といふ、奥州にておしやらく(○○○○○)といふ、〈国によりて、遊女のなき所も有也、他郷の遊女おさしてもいふなるべし、〉奥州松前にてやかん(○○○)といふ、越前敦賀にてかんひやう(○○○○○)と雲、〈夕がほおさらすといふ心なり〉又越前越後の海辺に、浮身(○○)と雲物有、是は旅商人此所に逗留の内、女おまうけて、夫婦の如くす、此家お浮身宿と雲、