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異本洞房語園

或曰、遊女およね(○○)といふ、宿の字なるべしと、張文成の遊仙窟曰、賭宿(よね)、十娘問曰、若為賭宿、下官答曰、十娘輸籌、則共下官臥一宿、下官輸籌、則共十娘臥一宿、遊女およねといふは、完永の頃、羽州坂田に、よねといひし遊女、生所は加州の者、琵琶の上手にてありし、このよねより、よき遊女お見てはよねと呼て、総て遊女の別名になりたり、又坂田あたりにて、遊女の事お柄杓(○○)とも雲、流お汲といふ意か、右にいふ遊仙窟の宿の字は、事お好てむつかし、