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傾城歌三味線

上手おいふて〈いやな座敷おようぬけ申す〉
夷中に京あり、三国の出村にて名高き小女郎といへる太夫職(○○○)は、吉原の三浦が抱へ、前の握虎(やつこ)高尾といふ太夫から、つり取るべき器量風儀、しかし情有つて大気に生れつき、自然と松の位(○○○)に備つて、衣裳好く著こなし、道中外の女郎と替り、少しすしに見へて、幅のなき男は恐れて会ふ事希なり、