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栄花物語
三十一/殿上花見
長元四年九月廿五日、女院〈○上東門院藤原彰子〉住よし石清水にまうでさせ給、〈○中略〉廿六日になりて、こぎくだらせ給程に、〈○中略〉えぐちといふ所になりて、あそびどもかさに月おいだし、らてんまき絵さま〴〵におとらじまけじとしてまいりたり、こえどもあしべ打よする浪の、こえも、江ぐちのいふべきかたなくこそみえしか、〈○中略〉二日、〈○十月〉あまの河と雲所にとゞまらせ給て、あそびどもめしてものどもたまはす、人々みな物ぬぎなどす、