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一目千軒
忘八(くつわ)之事〈並〉夜具の事
唐土にては娼家といふ、又孤老或は招夫など有、是今いふ女郎屋なり、もろこしにては、日本のごとく、揚屋女郎屋の差別なし、今亡八とかくは略字也、くつはとはよばず、隻女郎屋といふ、くつはといふ事未詳、扠女郎揚屋極まれば、夜具おはこぶ、此入もの皮つゞら長持など也、此紋はくつわの印なり、付札大きなるは太夫、ちいさきは天神のしるし也、