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洞房語園異本考異

隙なる遊女おお茶お挽といふ事、実は古語成べし、当世猶しかり、里語(〇〇)といいつべし、総じて廓(さと)と号する処には、里語とて外処とは違ひたる言葉あり、分て武陽の北廓なる里語は、ひと際耳立たること多し、ある老人のいへるは、援なる里語は、いかなる遠国より来れる女にても、此言葉おつかふ時は、ひなのなまりぬけて、元より居たる遊女と同じに聞ゆ、この意味お考へて、言ならはせし事也とぞ、