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異本洞房語園

吉原にて、歷々の客人お、だいじん(〇〇〇〇)と雲、世話の浮世双紙に、大尽と書たるものあり、是は卒に作りたる古の也、並木寿見斎と雲ひし老人は、大人と書べしといひき、又余〈○荘司勝富〉が師村井一露斎とて、元禄の初、九十余歳にて終りし、此一露斎のいはれしは、大人と書くならば、迚ものことに、大の字おすみて、たいじんといたし、〈○此間恐有脱字〉此邑には、めづらしき堅やなり、やりて、ぎう共抔が、ものいひに、漢呉の差別にも及ぶべからず、