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洞房語園異本考異

揚銭は河程にて有りしや、後に六十匁とあれども、格子も暫らく闕て、当世は呼出し、さん茶、うめ茶三十匁、附廻し座敷持三十匁十五匁、或は銀二朱と分れり、
京島原の女郎お太夫といふゆえ、其外の娼家是に作ふて太夫といふなり、むかし京都六条に三筋町あつて、第一の娼婦お揚代五十三匁に定て、五三の君といふ、〈○中略〉江戸鹿子大全に、太夫は三十七匁、格子は廿六匁、さん茶は金一分、局は五匁、三匁、其外銭百文、或は一匁の品お定めてあり、