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嬉遊笑覧
九/娼妓
蹴ころばし、艶道通鑑に、白人呂州茶や臭や間短蹴倒(〇〇)夜発迄とあるけたおしなり、古老雲、比丘尼すたれて出来たり、天明の末迄、下谷広小路、御数寄屋町、提灯店、仏店広徳寺前通、浅草堀田原、其外諸処にこれ有、これも一軒に二人三人づゝ出居れり、花費は弐百文づヽにて、いづれも容顔お撰み出したり、毎月大師縁日には、未明より出居たり、江戸名所鑑、山下弊膝(まへだれ)ひと銚子足に恨やこぼれ萩とあり、是なるべし、〈完政以来これら絶てなし〉