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嬉遊笑覧
九/娼妓
浮世草子に、そうか、総嫁の字かけり、此説非なり、風流徒然草、五条の河原には、さうかといふ物あり、鹿の武左衛門かたりしは、或夜河原おとおりけるに、ござおかゝへて行ものあり、誰と見むきたれば、そうか男と物いひていたるお、あれはそうかといはれて、まどひにけり、未練のさうか、売そんじけるとあるは、おどけばなしながら、そうかの義は是なるべし、くらき処に彳み居れば、さあるものともおぼめかるれば、名づけしならん、