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守貞漫稿
二十二/娼家
引張り
ひつぱり、天保以前より有之、蓋以前のは往人繁からざる所に出て、人お択みて袖おひき、或は言ばおかけて勧むる也、売女自ら出て勧之、或は売女は宿に在て、老婆など出て勧之、客お宿に伴ひ帰りて売色せし也、近年の引ぱりは堺町など、往来繁き所にも出て勧之、或は堀江町、小舟町、小網町辺の川岸に彳みて勧之、〈○下略〉