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嬉遊笑覧
九/娼妓
船まんぢう、洞房語園道恕が饅頭賦、往し万治の頃か、一人のまんぢうどらお打て、深川辺に落魄して、船売女になじみ、己が名題おゆるしたり雲々、又右氏が其賦お読む文、近年東武深川辺に、八島にて入水せし二位殿の船幽霊のごとき者に、我名お呼と聞雲々、〈天明七年丁未、永久夜泊の狂詩あり、鼻落声鳴篷掩身、饅頭下戸抜銭愍、味噌田楽寒冷酒、夜半小船酔客人、〉明和二年川柳点おちよ般沖迄こぐはなじみなり、