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倭訓栞
中編四/加
かはつるみ 太秦牛祭文、宇治拾遺等に見えたり、男色の事也といへり、かはやつるみの義成べし、了意が犬はりこに、乱世に盛なりし事おいひて、股おさき肘お引て血お出し、志の実なる事おあらはす、古き歌に、
おもふ心色には見えず身おさしてあけのちしおゝ君それとしれ、忠孝おわすれ非道の色に身お捨命お失ふもの、僧俗にわたりて女色よりも甚しと見えたり、