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牢獄秘錄
女牢〈江〉入候者之事
一先年江戸町中之女芸者かり取られ、弐百人余之入牢之時は、女牢に入り切らず、依之遠島部屋へ入れ候事なり、右女乞食一々是お改め、名主代りに遠島部屋へは女乞食入居たりしとぞ、猶つるは此名主も余ほどとり候よし、此芸者翌日出牢なり、〈此時張番之者共、女芸者出牢之上、其宿々へ無心に行く事なり、猶数多之牢入にて日暮より夜之八つ過まで改にかゝりしよし、〉
○按ずるに、つるとは、入牢者の牢名主等に贈らんが為めに持参する金子お雲ふ、