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七十一番歌合

二十五番 右 女盲
ね覚してあな面白といふ声に月さゆるよお空にしる哉
月影のさゆるもしらずめくらきは秋の物うき涙なりけり
左は目のみえぬ事およせいにてよめり、右はめくらきとよせたる心ばせ、ともにあはれにきこゆ、可為持、
吹風のめにみぬ人の恋しきお軒ばにおふるまつときかせよ
いかにしてさのみたつ名お大鼓かしらうつまで恋しかるらん
左は古歌の詞あまりにながく聞ゆれど、歌がらあしからぬにや、右は大つゞみにかしらうつといふこと侍にや、されどいやしく聞ゆれば、まけ侍べし、