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隠者は、又隠居と称す、隠遁して世塵お絶つお謂ふなり、或は華冑にして、身の栄達お避くる者あり、或は高材にして、跡お山林に晦す者あり、或は又僧侶にして、其事蹟の頗ぶる隠逸と称するに足るべき者あり、今其著きものお採て、以て一篇と為す、