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古事記伝
十七
さて後世には、井より水お汲揚(くみあげ)、るには、必縄など著たる都流倍(つるべ)お用ふる事なれども、〈○註略〉上代の井は、浅き泉なるなども多かりしかば、〈今も山里などのは然なり〉盛(もる)器お以て直に汲揚(くみあげ)もしつとおぼしければ、此の玉器(だまもひ)も盛る器以て、汲にてもあるべく、又汲たるお盛る料にても有べし、〈次の文に、酌水入玉器貢進とあれば、汲揚るのみの料の器には非ず、〉