[p.0012]
日本永代蔵

紙子身袋の破れ時
商売ひだり前なる、呉服屋忠助とて、むかしは駿河の本町に、軒ならべし中にも、花菱の大紋に家名おしらせ、〈○中略〉朱椀竜田のもみぢお散し、〈○中略〉其時節とはいひながら、亭主の心がけ惡敷が故なり、